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アウトプット コンクリート

成分溶出の要点

<水と接触する表面からpHが低下し、組織が空疎化して強度低下する>

条件溶出に影響を及ぼす要因
接水条件– 接水面が大きいほど劣化領域も増加する
– 硬度が小さい水ほど、溶存炭酸濃度が大きいほど溶出を促進する
– 接水時間が長いほど溶出を促進する
– 流水環境は溶出を促進する
– 材料の透水量が大きいほど溶出を促進する
環境条件(温度)– 温度上昇によって材料中の成分移動速度は促進されるが、成分の溶解度は逆に低下する相反する作用がある

評価方法

  • ①接水面からのセメント水和物Caの濃度分布、②接水面からのCa濃度分布、③接水面からの空隙率分布、④溶出したCa総量
  • 中性化深さはカルシウムシリケート水和物C-S-Hの消失深さとほぼ一致する
  • セメント水和物の溶解は、最初に水酸化カルシウムCa(OH)2=CHが溶解してからC-S-Hが溶解する
  • 強度低下の範囲は、微小硬度計(ビッカース硬度)などで測定する

劣化評価

  • 潜伏期:かぶり部分のpHの低下が鋼材腐食発生限界に至っていない。表面近傍にはC-Hが溶出していて、C-S-Hは溶出していない。
  • 進展期:鋼材の腐食が発生するが、ひび割れが生じていない。表面近傍からC-S-Hが溶出するものの、強度低下には至っていない。
  • 加速期:鉄筋の腐食ひび割れが発生。溶出が拡大して表面層が喪失する。
  • 劣化期:鉄筋腐食で耐荷力が低下する。

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