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断面修復工法

<工法の種類や使用材料などの特徴を把握する>

  • 左官工法
    • 人力の左官こて塗りによる
  • 吹付工法
    • 予め練り混ぜられた断面修復材を吹き付ける湿式工法と、粉体と水または混和液を別々に圧送して吹き付ける乾式工法があり、それぞれ専用の吹付機を使用する
  • プレパックドコンクリート工法
    • 比較的大断面で逆打ちとなる箇所に適用される。予め型枠内に粗骨材を充填する工法。

断面修復剤の要点

  • 要求性能
    • 圧縮や曲げ、引張強度などが既存Coと同等以上であること
    • 熱膨張係数や弾性係数、ポアソン比などが既存Coと同等であること
    • 乾燥収縮が小さく、接着性が高いこと
    • 現場施工のため、作業性が良いこと
  • 施工手順
    • ①下地処理→②プライマーまたは鉄筋防錆材の塗布→③断面修復

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酸による化学的腐食速度の要点

<補修しても同じ材料なら腐食速度定数Kは同じ>

  • 酸による化学的腐食の進行式 x=K√t
    • x:反応部分の厚さ(mm)
    • t:経過時間(年)
    • K:速度定数
    • 剥離やひび割れが生じない条件で用いる
  • 最初に、√t則を用いて腐食速度定数Kを求める
  • その後、得られたKを用いて推定する年数における腐食の進行を算出する
  • 補修をしても同じ材料ならKは変わらない
  • 酸による化学的腐食と浸食を左右する大きな要因の一つに酸の強さがある

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リバウンドハンマーによる強度試験の要点

<測定結果がばらついた場合の処置方法を思い出す>

  • 反発度法はどのようなCo構造物にも適用可能で、打撃時の反発度の程度によって強度を推定する
    • 詳細調査の前の予備試験
    • コア採取による強度試験が困難な場合
    • 強度の分布など多くの箇所で強度推定が必要な場合
    • 材齢に伴う強度増進を確認したい場合 など
  • 適用範囲:Co強度 10~60N/mm2
  • 普通コンクリート用N(R)型、軽量Co用L型、提供度Co用P型、マスコン用M型
  • 強度推定式は日本材料学会式、東京都建築材料検査所の式などがある

調査箇所

  • 表面が平坦で演舞から50mm以上離れた位置
  • 部材厚100mm以下、部材幅150mm以下の小寸法の箇所は避ける
  • 浮きや剥離、ひび割れ、気泡は反発に影響を及ぼす可能性があるため避ける

測定の注意点

  • 測定器の検定:テストアンビルを用いる。500回に1回程度行う
  • Co表面の凹凸、塗膜、打設面のブリーディング、付着物がある場合は砥石などを用いて除去
  • 25~50mmの間隔で9点測定し、平均反発度を求める
  • ハンマーの打撃角度に応じて角度補正。上向きの場合はマイナス補正。
  • Co材齢による補正、Coの応力状態による補正、中性化を考慮した補正を行う場合あり
  • Co表面が湿っていたり濡れている場合は、反発度に所定の数値を加える

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コアによる強度試験の要点

<コアの高さが直径の2倍より小さい場合は、圧縮強度が大きく測定される>

  • コアによる強度試験は直接構造体の強度を評価できる。ASRで劣化した構造体の強度や劣化の度合いも評価できる。
  • 他の方法より正確だが、部材の種類、厚さ、部位、ひび割れなどの欠損部の影響を受けるので、これらの要因を考慮して評価する。
  • コアの採取
    • 1箇所あたり3本程度、健全と判断した部位から採取
    • 劣化調査の場合はレカ箇所からも採取し比較する
    • 部材厚の薄い箇所からの採取は避ける
    • 梁やスラブは主筋を切断しないよう留意。鉄筋探査計等を用い鉄筋を避ける。
    • 採取後は無収縮モルタルなどで補修
    • コアの径は粗骨材最大寸法の3倍以上。2倍以下にしてはならない(JIS A 1107)
  • コア強度はコアドリルのトルクに影響され、14.7N・mを超えると強度が低下する傾向にある
  • 強度試験を行う場合は採取コアをCoカッターなどで端部整形、載荷面をキャッピングまたは研磨し、所定の平面度に仕上げなければならない
  • コア直径20~30mm程度の小径コアで推定する方法もある

設問の圧縮強度計算

  • 試験値の最大荷重(252kN)をコア面積で割って圧縮強度を求めるが、コアの縦横比に応じた補正が必要であり、その補正係数も設問の参考値から推定する必要がある。

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非破壊調査の原理と適用深度の要点

<測定原理を把握する>

種類原理適用深度
反発度法リバウンドハンマーにより一定のエネルギーでCo表面を打撃。跳ね返り(反発度)を測定。Co表面部。部材厚が100mm以下の箇所は避ける。
サーモグラフィ法物体から放射される赤外線の量、波長、放射率から物体の表面温度を測定。構造物表面から50mm程度が限界
超音波法(弾性波法)20kHz以上の周波数を使用し、発振子からCo中に発射した弾性波を受振子で測定。50kHz以上では2~3m程度
衝撃弾性波法(弾性波法)20kHz以下の周波数を使用し、ハンマーなどでCo表面を打撃して弾性波を発生させ、これを受振子で測定。数kHz以下では10m以上
打音法(弾性波法)打撃によってCo中に弾性波を発生させ、この弾性波がCo表面から空気中に放射された音を測定数kHz以下では10m以上
アコースティックエミッション法Coのひび割れの発生に伴って発生し伝播する弾性波を検出する数kHz以下では10m以上
電磁波レーダー法インパルス状の電子はをCo内に放射し、電気的性質が異なる物体との境界面で発生した電磁波を測定する300mm程度(鉄筋探査)
電磁誘導法測定装置が発する磁界内(磁束)に影響を与える金属や強磁性材料によって装置内の試験コイルの起電力の変化を測定する200mm程度(鉄筋探査)
X線法X線が物体を透過する過程で、密度によって強さを失っていく程度をX線フィルムで撮影400mm程度

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塩化物イオンの浸透予測解析の要点

<鋼材腐食発生限界塩化物イオン濃度=1.2kg/m3>

  • フィックの第2法則である拡散方程式を用いて、塩分の拡散による鉄筋の深さ位置(かぶり深さ)の塩化物イオンの濃度の経時変化を算出する
  • 鋼材の腐食発生限界塩化物イオン濃度=1.2kg/m3、この値を超えると鋼材の腐食が開始する
  • 対策:表面被覆工法
    • Co構造物の表面を樹脂系やポリマーセメント系の材料で被覆
    • 水分、炭酸ガス、酸素、塩分を遮断して劣化進行を抑制→構造物の耐久性を向上させる
  • 対策:電気防食工法
    • 主として塩害により劣化した構造物が対象
    • Co中の鉄筋の腐食反応を停止することができる
    • 劣化段階を問わずに適用できる

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構造物の変状と対策

<想定される原因に対して、正しい対策を選択する>

設問の変状分析と対策案
道路橋のRC床版の下面に白色の析出物を伴い、網細化したひび割れが確認されたので、表面の析出物を除去し、エポキシ樹脂によるひび割れ注入を行った。エフロを伴う網細化したひび割れ・・・RC床版の疲労劣化、防水層の劣化に伴う橋面からの雨水の浸入などが想定される

対策・・・橋面の防水層の再施工、床版の補強

設問の対策・・・ひび割れ部はエフロで埋まっているため、ひび割れ注入による対策だけでは効果は期待できない
道路橋のプレテンションPC桁のPC鋼材に沿って錆汁を伴ったひび割れが確認され、過大な撓みが生じていたので、電気防食を行った。PC鋼材の腐食によるPC桁の耐力低下が疑われる

対策・・・補強対策

設問の対策・・・PC部材に電気防食を行うと、鋼材側に水素ガスが生じ、脆化することが懸念されるため適当ではない
集合住宅のバルコニーのRCスラブの下面に漏水が見られたので、上面に防水を行ったあと、下面に透湿性のある仕上げ塗材を塗布した。雨水・排水の浸入が想定される

対策・・・上面に防水処理するととともに、下面に透湿性のある仕上材を施すことで、回り込んだ水分が貯まることを防止できる

設問の対策・・・適当
集合住宅の妻側RC梁下面のひび割れ部に錆汁が見られたので、水洗いしたあと、下面に防水性のある仕上げ塗材を塗布した。RC梁部材の鉄筋腐食が想定される

対策・・・妻側のRC梁であるため、防水処理は上面や側面にも行う必要がある

設問の対策・・・下面だけでは対策が不充分

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電気化学的補修工法の要点

<電気が宅的補修工法では、鉄筋を陰極(-)とする>

種類条件要点
電気防食工法期間:継続電流密度: 10mA/m2程度■外部電源方式:腐食に強いチタンメッシュなどをCo表面に設置し、10mA/m2程度の電流を供用期間を通じて通電する
■流電陽極方式:亜鉛シートや亜鉛溶射皮膜などをCo表面に設置し、内部鋼材よりイオン化傾向の大きい亜鉛などを陽極材として使用する
脱塩工法期間:4~8週間電流密度: 1A/m2程度仮設の外部電極とCo中の鋼材との間に直流電流を流し、Co中の塩分をCo外に取り出す工法。電解質溶液として水酸化Ca溶液などが用いられる。
再アルカリ化工法期間:1~2週間電流密度: 1A/m2程度中性化で劣化した構造物が対象。仮設の外部電極とCo中の鋼材との間に直流電流を流し、架設工材に保持したアルカリ性溶液をCo中に強制浸透させてアルカリ性を回復させる工法。炭酸Na溶液などが用いられる。
電着工法期間:3~6ヶ月電流密度: 0.5~1A/m2程度ひび割れが顕在化した構造物、ひび割れが予想され、またはそれによって構造の腐食が懸念されるCo構造物が対象。Co中の鋼材を陰極とし、海水中に対向した陽極との間に微弱な電流を数カ月間通電することにより、海水中のCaイオンやMgイオンなどをCo構造物のひび割れ部や表層部に析出させる工法で、ひび割れ分の充填や表層部の緻密化が図れる。
※電気学的補修工法には、通電処理によるASR促進問題やPC鋼材の水素脆性問題などがある

貴と卑:イオン化の傾向を表す言葉。電子を失い陽極となりやすい条件・場所・物質(アノード反応が起きる側)を貴、逆に電荷を帯びて陰極となる側(カソード反応側)を卑と呼ぶ。

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技術や基準類の要点

<JIS規格の変遷に関する年代を正確に記憶する>

制定の年基準などの内容
1941ポルトランドセメントと高炉セメント、シリカセメントのJIS制定
1953レディーミクストコンクリートのJIS制定
1964鉄筋コンクリート用棒鋼のJIS制定
1978レディーミクストコンクリートのJIS改正(呼び強度)
1981建築基準法施工例改正(新耐震設計法)
1982化学混和剤のJIS制定
1986塩化物総量規制レディーミクストコンクリートのJIS改正(ASR抑制方法)
1989ASR抑制対策(旧建設省 通達)
1993レディーミクストコンクリートのJIS改正(単位水量の上限値)
1995高炉スラグ微粉末のJIS制定
2002ASR抑制対策(国土交通省 優先順位の変更)

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成分溶出の要点

<水と接触する表面からpHが低下し、組織が空疎化して強度低下する>

条件溶出に影響を及ぼす要因
接水条件– 接水面が大きいほど劣化領域も増加する
– 硬度が小さい水ほど、溶存炭酸濃度が大きいほど溶出を促進する
– 接水時間が長いほど溶出を促進する
– 流水環境は溶出を促進する
– 材料の透水量が大きいほど溶出を促進する
環境条件(温度)– 温度上昇によって材料中の成分移動速度は促進されるが、成分の溶解度は逆に低下する相反する作用がある

評価方法

  • ①接水面からのセメント水和物Caの濃度分布、②接水面からのCa濃度分布、③接水面からの空隙率分布、④溶出したCa総量
  • 中性化深さはカルシウムシリケート水和物C-S-Hの消失深さとほぼ一致する
  • セメント水和物の溶解は、最初に水酸化カルシウムCa(OH)2=CHが溶解してからC-S-Hが溶解する
  • 強度低下の範囲は、微小硬度計(ビッカース硬度)などで測定する

劣化評価

  • 潜伏期:かぶり部分のpHの低下が鋼材腐食発生限界に至っていない。表面近傍にはC-Hが溶出していて、C-S-Hは溶出していない。
  • 進展期:鋼材の腐食が発生するが、ひび割れが生じていない。表面近傍からC-S-Hが溶出するものの、強度低下には至っていない。
  • 加速期:鉄筋の腐食ひび割れが発生。溶出が拡大して表面層が喪失する。
  • 劣化期:鉄筋腐食で耐荷力が低下する。

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