<初期ひび割れの領域は小さいことを思い出そう>
- 応力振幅が大きい場合は、疲労寿命に対する進展期の割合が多くなるが、応力振幅が小さい場合は潜伏期の割合が卓越し、大部分がひび割れ発生に要した繰り返し回数となる。
鉄筋の破断面の3領域
- 節などの根元の応力が集中しやすい箇所:(初期)ひび割れ発生点・発生領域(狭い)
- 繰り返し応力により疲労ひび割れが徐々に発達して限界に達した領域
- 伸びや絞りがなく、瞬時に脆性的な破壊に至った領域
脆性破壊とは弾性変形を越えた応力によって、固体材料の原子結合が切断されるために起こる破壊現象であり、ガラスの室温での破壊が代表的である。対して、延性破壊は塑性変形(すべり変形、原子の移動)が進んだ後に破壊に至る現象であり、金属材料では転位の集積によりマイクロボイドが発生・合体することで生じる。~Wikipedia その他対義語:靭性、展延性ひび割れの発生順序
- 潜伏期:まず応力集中部で金属の結晶レベルで滑りが生じて初期ひび割れに成長する
- 進展期:鋼材組成特有の速度で疲労ひび割れが伝播する。
- 加速期・劣化期:波面にへき開など静的破壊様式が認められて破断する。
疲労ひび割れの進展速度(ひび割れ進展則)
- 疲労ひび割れを発見してからの寿命予測に用いる
- ひび割れ進展速度:da/dNと応力の関係da/dN = C・⊿K^m
- a:疲労ひび割れ長、N:繰り返し回数
- C:係数、⊿K:応力拡大係数(⊿σ*√(πa))
- m:係数、⊿σ:応力振幅