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成分溶出の要点

<水と接触する表面からpHが低下し、組織が空疎化して強度低下する>

条件溶出に影響を及ぼす要因
接水条件– 接水面が大きいほど劣化領域も増加する
– 硬度が小さい水ほど、溶存炭酸濃度が大きいほど溶出を促進する
– 接水時間が長いほど溶出を促進する
– 流水環境は溶出を促進する
– 材料の透水量が大きいほど溶出を促進する
環境条件(温度)– 温度上昇によって材料中の成分移動速度は促進されるが、成分の溶解度は逆に低下する相反する作用がある

評価方法

  • ①接水面からのセメント水和物Caの濃度分布、②接水面からのCa濃度分布、③接水面からの空隙率分布、④溶出したCa総量
  • 中性化深さはカルシウムシリケート水和物C-S-Hの消失深さとほぼ一致する
  • セメント水和物の溶解は、最初に水酸化カルシウムCa(OH)2=CHが溶解してからC-S-Hが溶解する
  • 強度低下の範囲は、微小硬度計(ビッカース硬度)などで測定する

劣化評価

  • 潜伏期:かぶり部分のpHの低下が鋼材腐食発生限界に至っていない。表面近傍にはC-Hが溶出していて、C-S-Hは溶出していない。
  • 進展期:鋼材の腐食が発生するが、ひび割れが生じていない。表面近傍からC-S-Hが溶出するものの、強度低下には至っていない。
  • 加速期:鉄筋の腐食ひび割れが発生。溶出が拡大して表面層が喪失する。
  • 劣化期:鉄筋腐食で耐荷力が低下する。

2011版コンクリート診断士合格指南(日経BP社)

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可溶性塩化物イオン量の測定の要点

<可溶性塩化物イオンの抽出方法は、全塩化物の抽出方法とは異なる>

  • コアの最小寸法(JIS A 1107 圧縮強度試験方法に準じる)
    • 直径D≧粗骨材最大寸法の3倍、長さL≧D
  • 塩化物イオン量の濃度分布を測定する場合に備え、コアを構造物のどの位置で採取したか、表面がどちらかなどをコアに記入
  • 表面水を拭い去った後、ビニール袋に密封
  • 水中養生はNG(塩化物イオンの流出防止)
  • コアから試料を切り出す際も水使用禁止、乾式のコアカッターを用いる
  • 切り取ったCo片は、粗骨材を含めて全量を149μm篩を全量通過程度まで微粉砕し、分析用試料とする

塩化物イオン選択性電極を用いた電位差滴定方法・クロム酸銀-吸光光度法

  • 試料を50°に温め、50°の温水を加えて保温し30分間振盪・・・可溶性塩化物が抽出される
  • 濾液の一部を分取し、硝酸溶液(2N )を加えて酸性にする(pH3以下)
    • 【電】濾液を試験装置にセットし、N/200硝酸銀標準溶液で電位差滴定する
    • 【ク】酸性にした濾液に炭酸Caを加え静かに煮沸→常温まで冷却→100mLメスフラスコに濾過洗浄
    • 【ク】クロム酸銀を加え、混合して呈色させたあと、加圧濾過し、400nmの波長付近で吸光度を測定

○抽出段階で煮沸するのは全塩化物量の測定の場合。可溶性塩化物イオン量を図る場合は50°に温めるのみで煮沸はしない。

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稼働率

AB間のルートが稼働率0.9で運用されている。別途C地点を設け、AC→CBの並列ルートを用意した場合、全体の稼働率はどうなるか。

各ルートの稼働率
 AB=0.9、AC=0.9、BC=0.9

直列の稼働率:ACの稼働率×CBの稼働率
 直列部全体の稼働率=0.9×0.9=0.81・・・ACBとする

並列の稼働率:全体-並列に接続したルートがどちらも動かない確率

全体の稼働率=1-(1-AB)×(1-ACB)=1-(1-0.9)×(1-0.81) = 0.981

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コンクリートの分析機器の要点

<測定機器と測定内容の関係を把握する>

名称分析内容検出するもの
X線回析装置生成物の定性分析回析したX線の強度
走査電子顕微鏡Scanning Electron Microscope, SEM物資の形態画像、水和生成物の結晶など二次電子の画像
電子線マイクロアナライザーElectron Probe Micro Analyzer, EPMA各元素の定量分析、定性分析、画像各元素の特性X線
示差熱重量分析装置水酸化Ca量や炭酸Ca量を定量分析基準(参照)物質と試料との温度差
誘導結合プラズマ発光分光分析装置酸可溶性シリカの分析プラズマ発光(波長や強度)を測ることにより元素の種類や濃度を分析
X線エネルギー分散型分光器各元素の定性分析各元素の特性X線
水銀圧入式ポロシメータ細孔量や細孔径の分布圧入する水銀の圧力と量

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ASRの疑いがある場合の調査項目

<ASRには様々な調査法があるので正確に覚える>

調査項目
構造物の目視観察ひび割れ(拘束方向、亀甲状)、剥離・剥落・ポップアウト、変位、変形、変色、段差、ゲルの滲出
構造物の現地計測    ひび割れ幅の進展(コンタクトゲージ法など)、膨張量・変位量(変位計など)
非破壊検査(反応硬度、超音波パルス速度など)
構造物から採取したコアによる各種試験骨材の岩種および反応性鉱物の種類(偏光顕微鏡観察、X線回析、SEM-EDXA、赤外線吸収スペクトル分析など)
骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法、JIS A 1145)、モルタルバー法(JIS A 1146)、迅速法(JIS A 1804)、促進モルタルバー法(ASTM C 1260)など
アルカリシリカゲルの判定(化学成分分析、SEM-EDXA、酢酸ウラニル蛍光法など)
アルカリ量(水溶性アルカリ、酸溶性アルカリなど)
力学的性質(圧縮強度、引張強度、弾性係数、超音波パルス速度など)
残存膨張量(JCI-DD2法、カナダ法、デンマーク法など)

■骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)

  • 粒度0.15~0.3mmに調整した骨材試料25gと1NのNaOH溶液25mlを80℃、24時間保持したときに得られたアルカリ濃度減少量と溶解シリカ量を測定する。
  • 判定基準:溶解シリカ量≧10m mol/Lかつアルカリ濃度減少量<700m mol/Lで、溶解シリカ量/アルカリ濃度減少量≧1の場合に「無害でない」と判定する。

※イメージで覚えようとしたが、イメージしにくいものは連想もしにくい。各試験もそうだが、”アルカリ”のイメージって…青、高pH、アルカリ電池、弱アルカリ性なんとか、ん~…

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X線透過撮影法の要点

<密度差によりCo部分が黒く、鉄筋が白く写る>

  • 透過撮影は、一方からX線を照射し、対向する裏側にフィルムを配置することによって透過像を撮影
  • 撮影対象の両側に装置とフィルムを配置するための空間が必要

X線透過撮影の適用対象

  • 建築物の壁や床の鉄筋位置、版厚の測定
  • PC桁のシース内のグラウトの状態確認、床版の空洞検出
  • 問題点の原因究明

X線透過撮影の特徴

  • 画像は半透明な被写体に後ろから光を当てたときに得られる投影像のよう
  • 点光源から発される放射光であるため、得られる透過像は幾何学的に拡大された投撮像となる
  • Coと密度に差があるものほど明瞭に写る

安全管理

  • 放射線防護のための安全管理上の制約があり、現場調査では低エネルギーのX線装置に限定される
  • 「労働安全衛生法」や「電離放射線障害防止既製」によってエックス線作業主任者による安全管理が必要
  • 作業管理区域の立体半径5m以内は立入禁止

設問解説より

  • X線は物体通過中に指数関数的に減衰する。Co厚さによって強さ・照射時間を制御する
  • 低エネルギーの適用厚さは400mm程度が限界
  • X線フィルムは透過してきたX線の強さに応じて黒化する
  • 密度の高いものほど白く写る

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鉄筋疲労の要点

<初期ひび割れの領域は小さいことを思い出そう>

  • 応力振幅が大きい場合は、疲労寿命に対する進展期の割合が多くなるが、応力振幅が小さい場合は潜伏期の割合が卓越し、大部分がひび割れ発生に要した繰り返し回数となる。

鉄筋の破断面の3領域

  • 節などの根元の応力が集中しやすい箇所:(初期)ひび割れ発生点・発生領域(狭い)
  • 繰り返し応力により疲労ひび割れが徐々に発達して限界に達した領域
  • 伸びや絞りがなく、瞬時に脆性的な破壊に至った領域
脆性破壊とは弾性変形を越えた応力によって、固体材料の原子結合が切断されるために起こる破壊現象であり、ガラスの室温での破壊が代表的である。対して、延性破壊は塑性変形(すべり変形、原子の移動)が進んだ後に破壊に至る現象であり、金属材料では転位の集積によりマイクロボイドが発生・合体することで生じる。~Wikipedia

その他対義語:靭性、展延性ひび割れの発生順序
  • 潜伏期:まず応力集中部で金属の結晶レベルで滑りが生じて初期ひび割れに成長する
  • 進展期:鋼材組成特有の速度で疲労ひび割れが伝播する。
  • 加速期・劣化期:波面にへき開など静的破壊様式が認められて破断する。

疲労ひび割れの進展速度(ひび割れ進展則)

  • 疲労ひび割れを発見してからの寿命予測に用いる
  • ひび割れ進展速度:da/dNと応力の関係da/dN = C・⊿K^m
    • a:疲労ひび割れ長、N:繰り返し回数
    • C:係数、⊿K:応力拡大係数(⊿σ*√(πa))
    • m:係数、⊿σ:応力振幅

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凍害の要点

凍害の要点 

<凍害は水の凍結と融解の繰り返しで表面から進行する>

  • 劣化の現れ方
    • スケーリング、微細ひび割れ、ポップアウト、崩壊
  • 影響する要因
    • 使用材料の種類、品質、Coの配調合、打込み・締固め・養生方法、供用期間、環境条件、水の供給
    • 環境要因:最低温度、日射、凍結融解の繰り返し回数など
    • 水の供給要因は、直接、ひび割れ等からの進入、飛来など
  • 現れやすい箇所・工種
    • 土木構造物:道路橋、境界ブロック、擁壁、トンネル坑口、防波堤、水利構造物、ダムなど
    • 建築構造物:軒先、ベランダ、庇、パラペット等の突出部、開口部、隅角部、排気口下部、斜め外壁などの外壁面の特殊部、床面、屋外階段など
  • Coの空気量を4.5%程度確保し、気泡間隔係数が200μm以下で小さいほど、凍結融解抵抗性は確保できる
  • 干満帯部の凍結融解作用は激しい

凍害劣化の形態と進行

  • 潜伏期:作用を受けても劣化はなく、初期の健全性を保つ
  • 進展期:凍害深さが小さく剛性にほとんど変化がない。鉄筋の腐食はない。
  • 加速期:凍害深さが大きくなり、美観の劣化、鉄筋の腐食が発生する。
  • 劣化基:凍害深さがかぶり以上となり、変形や鉄筋腐食が著しい。部材としての耐荷力に影響を及ぼす。

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新QC7つ道具

  • 品質管理の技法のひとつ
  • 親和図法
    • カテゴライズ、グルーピングによる課題・状況の整理
  • 関連図法
    • 複雑な状況を、事象や要因の因果関係を矢印で表現して整理
  • 系統図法
    • 目的達成のための手法・方策を展開し、最適な手段を追求
  • アローダイヤグラム
    • PERT法、クリティカルパスの手法
  • PDPC法
    • Process Decision Program Chart
    • ある状態(スタート)から結果(ゴール)に至るまでの過程を矢印でつないで整理し、最適な過程を探す
  • マトリクス図法
    • 2次元の表を用いて各要素の関連を表現
  • マトリクスデータ解析法
    • マトリクス図法のデータを解析する

ニュースペックテキスト TAC情報処理講座 基本情報技術者 2021年度版

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鋼板接着工法の要点

鋼板接着工法の要点 <鋼板の許容引張応力度から算定する>

  • 梁の自重を考慮しない場合、中立軸を介して圧縮力と引張力は等しくなる
  • 補強後の圧縮及び引張曲げモーメントを合計する
  • 補強後の鋼板が許容応力度に達すると、
     250×6×176 = 264kN ・・・σsa=176N/mm
    このとき鉄筋が負担する引張力は、負担する応力が中立軸からの距離に比例する。
     2027×176×(700-347)/(783-347) = 289kN ・・・梁高さ700mm、中間軸位置が圧縮側から347mm
  • 圧縮側Coの負担する圧縮力は、
     264+289 = 553kN
  • 中立軸周りの圧縮曲げモーメントは、
     553×2/3×347 = 127927kN・mm ・・・2/3は何?
  • 中立軸周りの鉄筋の引張曲げモーメントは、
     289×353 = 102017kN・mm ・・・中間軸~引張側700-347=353mm
  • 中立軸周りの鋼板の引張曲げモーメントは、
     264×433 = 114312kN・mm ・・・鋼板の位置=353+
  • 後半補強後の曲げモーメントの合計は、
     127927+102017+114312 = 344256kN・mm
  • 補強前の曲げモーメントとの比は、
     3.44/2.17 = 1.59倍

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